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肩が凝る感覚というのは独特のものがありますね。痛いというのでもダルイというのでもない、強いて言えば「こわばる」に近いものの、それよりももっと深いところにある感じです。
凝った部分では何が起きているのでしょうか。
凝りは肩から頸の筋肉に起きています。時々骨のように固い人がいますが筋肉であることに変わりはありません。
筋肉は縮むのが仕事です。同じ力を使うにしても筋肉が伸ばされる時は脱力し、力を入れるときは素直に縮むようであれば、供給される血液(酸素)は多く、筋肉痛も起きにくくなります。もし強制的にずっと伸ばされているままだと、抵抗しながら始終少しずつ力を入れたままにしなければいけません。これは筋肉にとってはとてもつらい仕事なのです。
このしんどい方の作業をいつもやっているのが、肩凝りを訴える人の頸肩なんです。人は頭というとても重量のある荷物を、小さな骨(頚椎)が並んだ細い首の上にちょこんと置いています。頭がまっすぐ頚椎の上にあれば周囲の筋肉は余計な力をいれずに済みます。
しかし実際私たちの日常はどうでしょう。どうしても顔を前に落とす機会が増えてしまいがちです。デスクワークは特にその傾向が強く、垂れた頭を持ち上げながら支えるために、頸肩の後の筋肉は涙ぐましい努力をしているに違いありません。
凝った筋肉は酸素の少ない状態で働くため乳酸が多くなり、また血液の心臓への戻りが悪いため筋肉のたんぱく質と結合して乳酸タンパクを増やします。最初はむくんだ状態(浮腫)になるのですが、これはまだ治りやすい段階です。凝りよりこわばりに近い感覚かもしれません。慢性的にカチカチになっているのは、それが放置された末にスパズム(筋硬結)というものを生じているのです。
浮腫だけなら局部的なマッサージだけでもけっこう効果があるでしょう。もし全体のバランスを診ながら行なえば、非常に小さな刺激でも効果を生み出せるはずです。辛いとつい、低周波や強度のマッサージ、また電気鍼などの刺激を受けたくなりますが、浮腫の段階からこれらを頻繁に受けていると、だんだんそれまでの刺激量では満足できなくなり、やがて何をやっても効かないというような状態になりかねません。
スパズムを生じている方にはそのケースがよく見られます。ただし治らないわけではなく一度局部への強刺激を休んで全身の治療に切り替えることで好転していきます。あきらめずご相談下さい。
自分で出来る肩こり予防
前述のように肩こりの原因の一つは頭の重みが、頸の前に流れていくことにあります。要するに「姿勢を正しく」すればいいのですが、そう言うといきなり“軍隊姿勢”になってしまう人が多いのです。この硬直した「気をつけぃ!」の体勢はものの一分ももたずに挫折します。
やりかたに無理があり、運動学的に決してよい姿勢ではないからです。ではどうするかといいますと、「肩を下げる」だけでよいのです。やりにくい人は始めに肩をすくめるようにして思い切り上げてください。そしてストンと下に落とします。落ちたらもっと下に落としてください。肩甲骨を少し真ん中に寄せて腰のほうにを滑らせる感じです。
こうすると背中はまっすぐ頭も後に引っ張られるのがわかります。もちろんずっとは無理ですから、これが出来る時間を毎日ちょっとづつでも増やしてみてください。
ただしどうしても姿勢が悪くなるのは意思が弱いからではありません。身体の中に問題があるからです。それは十人十色でみな違いますので、実際診察をしてからということになります。 |