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体質チェックと養生法
お悩みの症状が運動器系であれ内科系に関わらず、どんな症状でも体質とは無縁にあらわれるわけではありません。生活習慣を少し変えるだけでも、症状を軽くしたり予防したりすることができます。

ここではごく簡単な体質チェックと、それに対する養生法を少しだけまとめてみました。おもに飲食、衣服などに関するものだけで、「このツボを押さえるとよく効きます」なんていうのはありません。ツボは刺激したらそれで効くというものではなく、方法が間違っていると悪化することもあり、実際に患者さんを診ずに勧めるのは不安がありますから。

なお食養生については、当てはまるからといってそればかり食べるというのは避けてください。あくまで参考程度にして食事を楽しむことをお忘れなく。

通常中国医学の説明をする場合は陰陽五行説を用いるのが基本ですが、分かりやすくするためにここではあえて別の言い回しを用いることにしました。
 
まずは体質チェック
 次の中から当てはまるものを選んでください。

A.雨の日、またはその前日や曇りの日に不調。
B.夜よく寝ているはずなのに、日中眠くなる。
C.舌を鏡で見ると。ボテッとふくらんでいたり、白い苔がたくさんついている。
D.鼻水や痰が出ることが多い。
E.肥満傾向。
F.不眠の傾向がある。
G.口やのどがよく渇く。
H.寝汗をよくかく。
I.痩せているとよく言われる。
J.舌を鏡で見ると、黄色い苔がたくさんついている。
K.運動して汗をかいても、すっきりせず疲れるだけのことが多い。

 A.B.C.D.Eの多くが当てはまる方は湿タイプです。
 F.G.H.Iの多く当てはまる方は乾燥タイプです。

もう一つ簡単なチェックをします。
1.寒がりである。
2.顔が青白いか灰色っぽい。また日焼けしていないのに黒(暗)っぽい。
3.風邪をよくひく。
4.暑がりである。
5.顔が赤いか黄色っぽい。
6.風邪を引くと熱が出やすい。

1.2.3が多い方は寒タイプ。
4.5.6が多い方は熱タイプ。

これらの結果を合わせます。
・湿タイプ+寒タイプは寒湿タイプ。
・湿タイプ+熱タイプは湿熱タイプ。
・乾燥タイプ+寒タイプは寒燥タイプ。
・乾燥タイプ+熱タイプは燥熱タイプ
それぞれの項をご覧ください。
 

湿タイプ
これは身体の中に湿気がたまっている状態だと思ってください。むくみやコリ、重だるさを感じます。そこに冷えが入ると、ただ冷える時より痛みがきつくなります。
舌の苔は霧や雲と同じです。朝起床時に舌苔が日中より多いのは、空の朝曇りと同じで薄ければ正常ですが、つねにべったりとして剥がれないのは体が梅雨時状態なのです。

湿を増やす要因を下に挙げます。
・甘いものや炭水化物の食べすぎ。砂糖、パン、麺類、ご飯の順にたまりやすい。
・間食が多い。お腹が減ってないのに喰ってしまうという意味です。
・アルコール、油脂、乳製品のとり過ぎ。
・運動不足(発汗の不足)または長すぎる昼寝。
・換気の悪い部屋に長時間いすわる。

要は食べすぎ飲みすぎが主な原因ですね。湿がもとになる病は日本人に特に多いものです。肩こりなどもその例がかなりあります。

 

寒湿タイプ
女性によく見られます。特に中年期から高齢者の方に見られる膝の痛みは、多くがこれです。しばしば浮腫(むくみ)をともないますね。そんな方に雨の日曇りの日だけは、甘いものを控えるようにさせると、症状がマシになったといわれることが多々あります。他にも肩こり、腰痛、頭痛、五十肩、便秘、下痢などさまざまな症状がでます。

対処法
当たり前のことですが、食べる量を減らして運動量を増やす。それが最善策です。特に膝や足首などの痛みは、2,3kg体重が変わるだけで変化しますから。でもこれがなかなかできないんですよねえ。運動するにも痛かったら出来ないこともあるし。

でも乳製品だけは控えた方が賢明でしょう。骨のことを気にして牛乳を無理して飲んでいる方も多いと思いますが、海外では「牛乳が骨を強くする」という説に最近は疑問の声があがっています。(なぜか日本では医者もマスコミもその記事を紹介したがりませんが)少なくともこの体質の人だけは、牛乳や乳製品より肉、小魚、海草、切干大根、納豆などを食べて骨を作ることをお勧めいたします。

その他の対策
1.酸っぱいものを食べる。
・酢ー米酢、黒酢、リンゴ酢、ワインビネガーなど。買う前に原材料のシールを確かめてください。そこにアルコールが入っているものは避けたほうがいいでしょう。

・かんきつ類ーゆず、すだち、かぼす、レモンなど。

注意点 
日本では酸味はなま物にあえて摂ることが多いですね。しかし生の野菜、果物は湿を増やしてしまいます。湿熱タイプの方はともかく、寒湿タイプの方は加熱調理をしてください。

熱帯性の果物は身体を冷やすようにできています。少なくとも冬は食べない方がいいです。

かんきつ類でも、冬にコタツに入って食べる一般的にいう「みかん」は効果がありません。むしろ冬にあれを食べ過ぎて体を冷やしている方も多いようです。鼻水や痰は湿が元になっているのですが、「みかん」はこれを増やす恐れがあるとも言われています。逆に言うと風邪でものどがからからになったり、腫れて痛んだりしている人には「みかん」もいいわけです。 

2.適当に香辛料を摂る。
一時期激辛ダイエットなるものがはやりました。冷えた湿を抱えた人には有効だったかもしれません。ただし胃腸が丈夫だったらの話です。日本人は唐辛子などを子供の時から毎日つかう習慣も伝統もありませんので、いきなり大量に辛味を得るべきではありません。

手軽なものでもっとも向いているのは生姜です。これはお腹の中から暖める作用があります。煮ものを中心にして、いろんな料理にアクセントとして楽しんでください。

3.苦いものを食べる。
・茶ー日本茶、紅茶、中国茶。要するに椿科の茶。はと麦茶、高麗(朝鮮)人参茶。
・菜っ葉類、ピーマン、セロリ、パセリ、ブロッコリー.
・根菜類(大根、にんじん、ごぼう)など。

注意点 
野菜は生ではなく加熱したものがよいでしょう。お茶は飲みすぎに注意。またコーヒーは元来乾燥地帯にできるものなので、摂取する側にとっては身体を湿らす傾向を持ちます。お茶の代わりにはなりません。

4.小豆粥(あずきがゆ)を食べる。
小豆は湿を取り除くのに一番手軽で適した方法です。また冷えるタイプの人にも、熱を持ちやすいタイプの人にも安心して使えます。ただし砂糖の入ったものでは意味がありません。赤飯はもち米なのであまりふさわしくありません。おかゆが一番有効かつ手軽でおいしいです。

注意点 
通常あずきは「ゆでこぼし」をして、灰汁を取り去ってから使います。しかしあまり丁寧に灰汁を取ってしまうと、肝心の湿をとる効果もなくなってしまいます。ほのかな苦味を残して、塩を少し足すのがおすすめです。(私個人の体験では、一茹でするだけで「こぼし」をせずに炊き、出来上がってから上澄みの汁を少し捨てて塩を足すというのが、一番効果がありました。あくまで私の体でのはなしです。おなかの弱い人は真似しないでください。)

5.歌を歌いよく笑う。
言うまでもなく、これはどの体質でもいいことに決まっています。ただこの場合は歌う、笑う時の呼吸法が吐く息を多くするという意味を含んでいます。息を吐くことも重要な排泄の一つですので。

湿熱タイプ
 
この場合の湿は水分というより、ちょっとエネルギーを含んだものになります。体の中で余った熱が外へ放出されずにくすぶっている状態です。男性に多く「脂ぎった」印象を与えるもとです。

水をよく飲みたがるタイプと、飲むのを嫌がるタイプがあります。前者は熱が高く広がった状態で、摂取エネルギーを減らせば、水を飲むことで利尿効果が高まり軽快することもあります。後者は湿熱と冷えを同時に抱えている方に多いようです。治療に長期間を要します。いずれも胃炎、皮膚疾患、便秘、下痢などに気をつけます。

対処法
基本的には湿をためないようにすること、余分な熱量を上げないようにすることです。糖質、脂質、アルコールを減らすに越したことはありません。あとは寒湿タイプの対処法から、温める要素を減らした形になります。

1.香辛料は発汗を促すためか、湿熱タイプでも欲しがる人が多いようです。体が要求しているととることもできそうですが、実際の効果は今ひとつだと思います。先に言った水を欲しがるタイプだと、辛いものを食べると必要以上にまた水を飲んで湿のもとを作ります。水を飲めない人は香辛料も欲しがらないようです。
 
2.酸、苦味は多めに。少しはなま物も大丈夫。
とはいってもこれは野菜や果物の話です。また熱帯性の果物でも少しなら効果があります。最近は沖縄産のシークワーサーなどよく売ってますが、試す価値があるかもしれません。

3、はと麦を食べる。はと麦は身体を涼めて湿を取り去る効果があります。これもおかゆや茶で摂ればいいでしょう。小豆と一緒に炊いてもいいでしょう。


乾燥タイプ
 精神的なストレスなどが原因で、体の中にある火の要素が高まっているわけです。ではみんな暑がりかというとさにあらず、寒がりの人もいます。乾燥しているのですから、性格はともかく身体は熱しやすく冷めやすい状態になっているのです。
起きやすい症状として、最も代表的なものは不眠症です。神経が過敏になり、顔つきや声の調子がきつくなりがちです。寝汗や寝言が多くなる場合もあります。
耳鳴りや、最近よく聞くドライアイ(目の乾燥)、眼精疲労などもこのタイプに多い疾患です。
便秘もよく見られます。水分の吸収が進みすぎて便が乾燥してしまうからです。
肩こりでも押さえると非常に硬いのが特徴です。特に女性に多いのは、背中や肩に板でも入っているんではないかと言われるものです。これは体質を変えない限り、揉んでも押さえても悪くなることはあっても良くなることはほとんどないといっていいでしょう。


燥熱タイプ

体の中で燃えている火が大きくなりすぎるか、冷ます要素が少なくなりすぎたため、乾燥してなお熱が引かない状態です。砂漠の昼をイメージすればわかりやすいでしょう。おきやすい症状は、乾燥タイプの説明にあった通りですが、長期化すると深刻な問題が出てきます。腎臓、肝臓、すい臓、脾臓などの慢性疾患にかかりやすくなります。

体や頭は熱っぽい方でも足はしばしば冷え込みます。起きている時は靴下を二枚履いたり、寝ているときはすねの所に、昔よく見たレッグウオーマーのようなものを一枚巻いておくといいでしょう。

対処法
1.真水をよく飲むようにする。
 お茶やコーヒーより、浄水器を通した水を常温で摂ります。

2.海産物をよくとる。
 肉より魚ということです。あと海藻類。

3.下から横に向かって開く野菜類をとる。
 菜っ葉類、ブロッコリー、カリフラワーなどです。

4.根菜類をとる。
 にんじん、大根、レンコンなど。

5.ねぎ類、もやし、たけのこなどは控えめにする。
上にまっすぐ伸びる野菜は火を高ぶらせることがあります。低カロリーのはずのたけのこを食べ過ぎても、にきびが出るのはそのせいです。

6.唐辛子、山椒などの香辛料を摂り過ぎない。
激辛が悪いということもありますが、殻の中に空気と一緒に入っている植物の実は、体の中の火を高める要素があるようです。ピーナッツなどもそうで、よく食べ過ぎると鼻血が出るのはそのせいでしょう。

7.発酵食品を食べる。
特に納豆など粘り気を生じたものは身体を潤す効果があり、体の組織の破壊を防ぎます。

8.歌を歌いよく笑う。
怒りは火の勢いを強くします。歌ったり笑ったりすると火が小さくなります。また鏡を見て自分が一番穏やかでいい顔だと思う顔をします。ポイントは口角を下げること、眉間に力を入れないことです。それが無理な時は、反対に思い切り口角を下げて、眉間にしわを寄せます。二三十秒もすれば疲れてきますので、元へ戻せば自然にいい顔になります。ふざけて書いているわけではありません。これはやってみると意外に効果があり、その場で身体に変化を感じる人もあります。ちゃんと根拠があるんですよ。


寒燥タイプ

燥熱の状態が長引くとやがて体の組織は痩せ細り、栄養を蓄えることができなくなります。そうなるとかえって熱を生むことや維持することが難しくなってきます。燥熱が砂漠の昼だとすると、こちらは砂漠の夜になります。乾いて乾燥した枯れ木のようなイメージを浮かべるとわかりやすいでしょう。

病気に対する抵抗力が弱くなりますので、風邪なども長引くことが多いでしょう。夏の冷房も特に苦手とします。

近頃最も問題になっているものとしては拒食症があります。これのひどくなったものは寒燥の極致ともいえるもので非常に危険な状態です。

乾燥タイプの中には几帳面で完璧を求める傾向のある方が比較的多いようです。おおらかな気持ち、ある意味いい加減さが身体を潤わす最大の薬かもしれません。

対処法
1.身体を冷やさない。
首の後ろ、腰、足(特に膝から下)を風に当てないように注意します。セサミオイルなどを骨際に塗っておくと、冬の寒さや冷房に強くなります。
燥熱タイプと同じく、起きている時は靴下を二枚履いて、寝るときは昔のレッグウオーマーのようなもので保温します。

2.冷たいものはとらない。
真水を飲むことはかまいませんが冷たい物は避けます。

3.魚も肉もたべる。
同時に食べるという意味ではありません。偏り無くとるのがいいということです。肉は豚肉を煮るか蒸すかで調理したものが一番向いています。

4.野菜は根菜、海草などを中心に加熱して。

5.ネギやショウガを利用する。
あまりきつい香辛料はよくありませんが、ショウガは胃腸を温めて働きをよくします。まっすぐ伸びる野菜でもネギは身体を適度に暖めてくれますのでいいでしょう。

ほか燥熱タイプの6.7.8をご覧ください。この三つは両方に共通しています。

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